2018年6月2日、HitBTCから日本居住者向けの利用を停止するというメールが届きました。
私の環境からはメール内のリンクがエラーになったので怪しい気もしましたが、なんにせよ書いてあることは真っ当な内容です(日本の居住者でない場合、この後に書かれている個人情報のアップロードは慎重に対応してください。日本居住者はアップロード不要です。)。

以前、Zclassic(ZCL)からハードフォークしたビットコイン・プライベート(BTCP)をEXVO(詐欺取引所で閉鎖済み)で売却した際、HitBTCでBTCPの入出金をテスト的に利用しました。
これがHitBTCを使った最初で最後の機会だったので、私個人としてはHitBTCがどうなろうと正直どうでもいい話です。
しかし、今後も海外取引所で日本居住者向けに同じようなことが起こりえると思うので、今回はHitBTCからのメールをきちんと確認しておきたいと思います。
このメールは事実上の利用停止の連絡ですが、メッセージも込められているようなので、ぜひ最後まで読んでみてください。
HitBTCの日本居住者向けサービスの停止予定
よく知りませんでしたが、HitBTCは香港の会社として登記されていて、オフィス自体は南米のチリに存在しているようです。


いずれも本来は日本の法律とは関係のないところなので、やはり何かあったのでしょう。その理由を探るべく、届いたメールの要旨を意訳していきたいと思います。
Request for informationというメールの内容
それでは、さっそく確認していきます。
日本の改正資金決済法の施行により、HitBTCは日本の居住者向けの仮想通貨取引サービスを一時的に停止することになりました。利用者が同意している利用規約(第2条2項の2)に基づき、HitBTCがサービスを提供する許認可のない国・地域の居住者は、サービスを利用してはならず、ただちに利用を停止しなくてはいけません。
建前として存在しているだけで機能していないと思いきや、いきなり利用規約(Terms of Services)を理由に利用の停止を伝えてきています。


実際、利用規約上は日本の居住者が利用してはいけないわけですが、これを忠実に守るように今回のメールで伝えてきているわけですね。
HitBTCは、あなたが日本のIPアドレスもしくは日本で登録された他のサービスで、HitBTCのサービスを利用中または過去に利用していたことを検知しました。そのため、HitBTCのシステムはあなたを日本の居住者の可能性があると認識しています。引き続きサービスを利用するためには、あなたが日本の居住者ではないことを証明する必要があります。
このメールは日本居住者の可能性がある人のみに送られているようです。
HitBTCにはメールアドレス(@gmail.com)しか登録していないはずなので、私の場合はアクセス元のIPアドレスが日本なので送られてきたのでしょう。
他にも、”any other services registered in Japan”と書いていたので、登録メールアドレスがJPドメインだったりしたら、日本の居住者の可能性があると判断されていそうです。
お手数ですが、下記の資料をHitBTCにお送りください。
- 身分証明書(パスポートもしくはIDカードの鮮明なスキャンまたは写真画像)
- 住所と住所が記載された法令に基づいて発行された書類、または居住許可証やその住所が記載された公的書類かつこのメールの1か月以内の日付が記載された銀行の入出金明細
これらは日本の書類では意味がないので、日本の「住民票」ではなく日本国外の証明書などを想定しているのでしょう。日本の「住民票」や「運転免許証」を出したら、きっと一発で利用停止ですね。
資料の提出期日(デッドライン)は、このメールから暦日で14日間です。最優先で処理を進めるので、それまでにフォームから資料をアップロードしてください(その他の方法で送付しないようにしてください)。


もし期日までに居住地の情報が提出されない場合、または日本の居住者であることが確認された場合、HitBTCはサービスの提供を停止し、以降はHitBTCから仮想通貨資産の引き出しのみ利用できる状態となります。
期限日の引き出しは、確認の手続きにより時間がかかりることをあらかじめご了承ください。
利用規約に同意していることで、あなたはALM(マネロン対策、Anti Money Laundering)・KYC(本人確認、Know Your Customer)の手続きに同意しているため、これらの確認は必要に応じて行われます。
メールから対応までの期日が14日間と短いですね…。営業日ではなくて暦日です。
国外のプロキシでアクセスして、JPドメインではないメールアドレスで新規登録、プロキシ経由で利用し続ければ、今後も日本から使い続けられる気もします。
が、少しでも匂わす情報が漏れるとメールが届くリスクがありそうです(メールが来たら日本の非居住者を証明しないといけないので詰みます)。
「日本人向けには早く停止したい」という思いが強く感じられますが、次の文章を読むと、どうやらこれには理由があるようです。
HitBTCは、日本で事業の承認を得るために、日本の金融庁(FSA)が求める法令順守のために努力しており、日本での登録が認められ次第すぐにお伝えします。そのため、近い将来、私たちのパートナーシップが続けられるようになると信じています。
HitBTCは日本市場への参入を検討しているんでしょうか。まだ登録申請もしていないようですが、将来的なことを考えて、金融庁との関係を考えているのかも知れません(Binanceのように、ただ単に警告を受けた可能性もありますが…)。
ただ、日本で仮想通貨交換業者に登録できたとしても、取り扱える通貨の種類から考えて、現在のHitBTCとは全く違う取引所になってしまいそうですね。
仮想通貨とは全く関係ない分野で、私は金融庁への登録も認可も対応した経験したことがありますが、HitBTCは日本で相応の人材を採用しないと難しいでしょう。
まぁ、無理でしょうね。
アカウントが閉鎖されるわけではないので、HitBTCの信用リスクを負う覚悟があるなら、仮想通貨を置いておいても良いのかも知れません。今回の話が、他の海外取引所にも波及しないことを祈りましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事が何かの参考になれば幸いです。