2018年4月21日にJagariCoinR(JAGAR)がGRAVIEX という仮想通貨取引所に上場しました。
また初めて聞く怪しい取引所ですが、今回はこのGRAVIEXという取引所について調べてみたので、その内容をご紹介したいと思います。
私は全く知らなかったのですが、国産通貨のNEETCOIN(NEET)なんかも上場しているんですね。
過去のJamBTC(Scam = 詐欺取引所)やEXVO(これもScam)とは異なり、今回は普通に取引所にもリンクを貼っています、というのが結論です。
やはり、ちゃんとした法人格のある会社が作る取引所しか信用できませんね。
仮想通貨取引所のGRAVIEXとは
これは早々に分かったことですが、GRAVIEXというのはロシアのGRAVIO というスタートアップ企業の一サービスという位置づけのようです。
さらに、GRAVIOはGRAVIO coin(GIO)という仮想通貨も発行しており、それもGRAVIEXには上場されています(残念ながらICOは不調に終わったように見えます)。
この仮想通貨の発行と取引所運営というスキームは、KOTOを経緯不明でリスト(上場)した詐欺取引所だったEXVOと同じ形ですね。
その前提を踏まえて、もう少し深掘りしてみたいと思います。
運営会社はロシアのGRAVIO
GRAVIOはロシアの企業で、ロシアのシリコンバレーと呼ばれる Skolkovo という地域にあるようです。
不勉強で、私はSkolkovo の読み方も知りませんでした(今でも分かりません)。
ロシアのシリコンバレー「Skolkovo」と知られざるスタートアップ事情
法人が運営しているというのは、運営者の実態が分からないJamBTCやEXVOと異なる点です。
チームバックグラウンド
公式サイトには顔写真も載っていて、そのCo-Founder(共同経営者)の一人は、ロシアと上海のイベントに出展した際の写真にも写っていました。ちゃんと実在するようです。


2010年からOracleのJet.Frameworkを使った商業ソフトの開発をしてきて、2017年にSkolkovoにR&D機能(Research and Development, 研究開発)をオープンしたとのことです。
そこが仮想通貨関連のサービスを担っているのでしょう。
さらに、活動報告の Last Event ページでは、本業と思われるサービスでの出展が掲載されていました。
GRAVIO Ecosystem
ここからは話半分にポエムだと思って読んでいいと思っていますが、GRAVIOは “GRAVIO Ecosystem” というコミュニケーションプラットフォームを作ることをゴールにしているそうです。
そして、そのプラットフォームでの支払い・受け取りに使うのが仮想通貨のGRAVIO coin(GIO)ということのようです。


このGIOはICOしています。私腹を肥やすという意味ではなくて、運転資金としての資金調達が目的なのでしょう(全くうまく調達できていませんが…)。
ここら辺はGIO自体のことを見ていくと垣間見えると思います。
GRAVIO coin(GIO)の詳細
GRAVIO coin(GIO)についてですが、2017年8月4日にBitcointalkでANNが作られていました。


ICOが乱発するバブルの少し前に世に出てきた感じですね。
[ANN][GIO] GRAVIO – Ultimate over-UСS: AI, IoT & E-Commerce inside
コインの詳細は下記ページに掲載されています。
Scryptを採用したPOW
スペックを見る限り、Litecoin(LTC)をベースにしたコインなのかな?という印象を受けました。
私はプログラムコードを読む知識がないので分かりませんが、見る人が見ればすぐに分かるのかも知れません。
公式マイニングプールも用意されていてマイニングもできるようですが、アルゴリズムがSctyptなのでASIC通貨ですね。
これをCPUやGPUで掘ることはないでしょう。
プレマインは10%(2億枚)
プレマインは2億枚で、発行上限20億枚の10%となっています。


この用途は内訳も全て公開されており、これにはICOでの分配分なども含まれていました。


プレマインされたコインの使い道としては、ICO参加者に75%(1億5000万枚)、コミュニティ形成に10%(2000万枚)、開発チームに15%(3000万枚)となっています。
ICOは直接的に金銭(仮想通貨)を投じてくれる人たちなので、かなり厚めに分配されることになっていますね。
ちなみに、ICOは下記のレートで行われていたようです。


当時(2017年8月~9月)のBTCは40万円台だったので、1 GIO = 1.25円 くらいの見積もりだったと思われます。
気になるICOの結果ですが、3通貨ある中でBTCだけ見てみました。


少なくともBTCに関しては、最終回で 3件 0.3 BTC(12万円相当)という世知辛い結果だったようです。
中国で取引所規制があったタイミングですからね…。
この後にアルトコインバブル・ICOバブルがあったことを考えると、ICOのタイミングが悪かったということでしょう。
これを経ても逃げずに現在があるということで、「ICOゴール」のような取り込み詐欺ではなかったということも言えそうです。
まだ何もプロダクトはなさそうなので、判断するには時期尚早ではありますが…。
仮想通貨取引所のGRAVIEX
GRAVIOが運営している仮想通貨取引所がGRAVIEXです。
基本的にはBTC基軸で、一部通貨はBTC・LTCなどでも取引ができるようです。
主目的は自社通貨のGIOを上場させることだと思いますが、Bitcointalkを見ていると、取引所システムのユーザビリティ改善などにも取り組んでいますね。
ICOがコケたので、取引活性化させて儲けていないといけないんでしょう(想像です)。
取扱通貨
GRAVIEXが取り扱う通貨は非常に幅広く、2018年4月23日現在で159通貨が上場していました。
しかも毎日のように新規コインが増えているので、もはや何のコインがあるのか把握するのも大変です。
良くも悪くも「魔境」というイメージですね。
JagariCoinR(JAGAR)の上場
2018年4月21日にジャガリコインRがGRAVIEXに上場しました。


上場までの経緯と今後
詳細は分かりませんが、開発者が複数の取引所に上場のリクエストを出していたようなので、GRAVIEXにもリクエストを出していたのだと思われます。
GRAVIEXには、“GRAVIEX Exchange Listing Register” というリスト登録(上場)をリクエストすることができ、5日以内には可否の回答が来るという運用がされているようです。


ものすごい勢いで草コインが新規上場しているので、JAGARもこの勢いに乗ったということなのでしょうか…。
ポイントはリクエストフォームにある下記の “listing fee” の部分で、ここにプレマイン分のJAGARをつぎ込んだということだと思います(JAGAR開発者の懐事情から察するに)。


ここで運営会社に渡された少なくないであろうJAGARは、ホルダーからすると純粋な売り圧力になります。
GRAVIEXも利益を最大化するはずなので、圧倒的な売り浴びせのような話にはならないと思いますが、現金化(BTC化)を心待ちにしている在庫があるのも確かなことです。
取引不振では上場廃止も
“GRAVIEX Listing Rules” では、月間 5 BTC相当の取引量がないと、GRAVIEXが上場廃止を検討できることになっています。


見ていると大半のコインが基準未満になりそうなので、厳密には運用されていないとは思いますが、このような条件があることは知っておいて良いと思います。
結局、EXVOは信用して使えるのか
ロシアの企業という本業のある運営母体がはっきりしていて、さらに2010年から仮想通貨外の事業実績があるようなので、その点は信用しても良いと思います(裏はとってません)。
仮想通貨取引所も8か月ほど運営されていることもあり、JamBTCのような夜逃げはないのではないでしょうか。
ダメなときは正々堂々と事業撤退または倒産してくれるでしょう。
GRAVIEX https://graviex.net/
ただ、大きな資産を預けておくのに適切な気はしないので、基本的にはヒット&アウェイで資産が滞留しないようにするのが良いと思います。
何が起こるか分からない仮想通貨の世界です。自分の身は自分で守りましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事がGRAVIXを利用するかしないかを検討するうえでお役に立てば幸いです。