フォーセットで見かけるProvably Fair(プロバブリー・フェア)とは

Provably Fairの意味

 

海外のサイトで“Provably Fair(プロヴァブリー・フェア)” という言葉を見たことがあると思います。積極的に表明している印象もあるような言葉ですね。

これはビットコインなどの仮想通貨が無料でもらえるサイト(FreeBitcoin(フリービットコイン)などのフォーセット)やオンライン・カジノで見かける言葉で、サイト運営者にとって “Provably Fair” を掲げることはアピールポイントになっているようです。

Provably Fairの掲示
出所:FreeBitcoinのLottery

今回は、この少々怪しげなサイトでしか使われていない”Provably Fair”の意味や使われ方を説明していきたいと思います。

Provably Fairとは

それでは早速、”Provably Fair”の意味を確認して、その用途や仕組みなどを見ていきましょう。

言葉の意味

まず最初に”Provably Fair” の意味ですが、直訳すると「証明可能な公正さ」という意味です。

Provablyは「証明する」という動詞proveの副詞形で「立証できる、証明可能な」という意味です。「たぶん、恐らく」のProbablyではありません。Fairは「公正・公正、フェア」という意味で、スポーツなどでよく使われるフェアプレイのフェアですね。

それを組み合わせて、”Provably Fair”は「公平・公正であることを証明できる」という意味で使われています。

Provably Fair の用途・使われ方

次は “Provably Fair” の用途ですが、これは主にオンライン・カジノなどのギャンブルで「出目(でめ)が正当であること」を証明する目的で使われているようです。

要するに、「サイト運営者が意図的に出目をコントロールしているわけではない(ごまかしていない)」ことを証明するために、この”Provably Fair”の仕組を利用しているということです。「不正していない」というメッセージですね。

例えば、ルーレットやダイス(サイコロ)などの出目が結果を決めるゲームがあるとして、「最初から運営側は何を出すか決めていた(利用者の出目を見て変えたわけではない)」ということを証明するために、この”Provably Fair”の仕組を導入しているケースが多いようです。

サイコロ(ダイス)

裏を返すと、”Provably Fair” を掲げているサービスは、それだけ「利用者が運営者に対して疑心暗鬼になりやすいサービス」だということも言えるでしょう。

ただ、この次に書きますが、個人的には「検証できること」は「フェアであること」を必ずしも証明するものではないと思います。信用できないケースも普通にあるでしょう。

Provably Fair の仕組

次に仕組みの話ですが、”Provably Fair”の仕組みは非常に単純です。

用途によって使う値や計算方法は異なりますが、ここでは例としてビットコインを無料で配布しているFreeBitcoinでの流れを紹介したいと思います。

  1. 運営者が利用者に運営者のハッシュ(出目を暗号化したもの)を渡します
  2. 利用者が運営者に利用者のハッシュ(出目を暗号化したもの)を渡します
  3. 運営者がお互いのハッシュを事前に決めていた鍵で出目に戻して勝ち負けを判断します
  4. 運営者は使われた鍵(3の事前に決めていた鍵)を公開します
  5. 利用者も鍵を使って利用者・運営者の出目を検証できます

建前としては、運営者が後出しで鍵をコントロールして勝てるようにするのは難しいので、誰でも検証できる形で正当にやっているという証明になるということです(これは必ずしも不正できないという話ではないと思っています)。

Provably Fairの検証

もう少し具体的に見ていきましょう。

CoinPot(閉鎖済み)では Multiplier という Hi&Low(3桁の数字が500以上未満かを予想)のゲームがあるのですが、これは最初に運営側のハッシュ(Server Seed Hash)が公開されており、利用者はベットと同時に自分でも変更できるハッシュ(Client Seed)を運営者側に渡します。

次の開催会の情報

この2つのハッシュを運営側が事前に決めた計算式と鍵(Server Seed)を使って、000-499(Low)か500-999(High)のどちらになるかを計算して、利用者のベットした予想(High or Low)が当たったか外れたかを判定します。

ハッシュを出目に戻す鍵(Server Seed)は即時に公開されるので、「自分の送ったハッシュ」と「運営側のハッシュ」と「公開された鍵」を所定の計算式にあてはめて検証することができます。

厳密には利用者が渡す Client Seed はハッシュ化したものではありませんが、分かりやすいように便宜上”ハッシュ”と書いています。

下記のように、サイト上には Seed の計算方法や暗号化方式(CoinPotはSHA2-512)が説明されています。

CoinPotにあるProvably Fairの説明

CoinPotのMultiplierは開始から数秒で結果が出るゲームなので、運営側がServer Seedをコントロールして結果を都合よくコントロールするのは少し手間がかかります。

Server Seedの公開

というのも、上記のゲームでは表示される3桁の数字がHighかLowかで勝ち負けを決めるため、その3桁の数字を任意の数字にしようとするのは極めて難しいです。

ただ、任意の数字ではなくて、500以上か500未満の1/2の確率に該当する3桁の数字を作るServer Seed(鍵)を探すだけなら、それほど難しい話ではないでしょう。ゲーム中に3桁の数字が回転するアニメーションを表示しているので、このゲームの場合は1-2秒間で運営者に都合のいいServer Seedを探せば可能です。そのゲームにかかる時間も、スロットを回しているアニメーションの時間次第なので運営側はコントロールできますね。

例えば、サーバー側に運営者のハッシュを100個くらい用意しておいて、アニメーション中の数秒でServer Seedを当てて、100個の中に利用者に勝てるハッシュが見つかれば負けることはありません。その程度の演算なら数秒もいらないでしょう。

Provably Fairのまとめ

“Probably Fair”は、利用者にゲームの結果を事後検証できるようにして、コンテンツが公正であることを信じてもらうための一つの手段です。

ただし、繰り返しになりますが、事後的な検証は必ずしも公正を証明するわけではないと考えます。この仕組みの場合、「検証できること」と「公正であること」は切り分けて考えたほうが良さそうです。

元も子もない話ですが、最終的には “Probably Fair” よりもサイト運営者を信用できるかのほうが重要でしょう。ビットコインのフォーセットは10年以上の運営歴があるFreeBitcoin(フリービットコイン)以外は信用できない状態です。

暗号資産関連の海外サイトを色々と経験した感覚からすると、運営者の信用度は「法人格(登記)があること」「実際のオフィスがあること」がポイントだと思っています。記事中で紹介したCoinPotも当時のフォーセット業界大手でしたが、1か月程度の短い予告期間の後に閉鎖しました。

この要件を満たしていないサイトは、どれだけサービスが優れていても突然消滅していることがあります。どれだけサイトが作り込まれていても例外はありません。資金力も然り、身元が公開されていて下手すれば刑事責任も問われかねないので、運営に対する責任感が全く違うのだと思っています。“Probably Fair” という言葉だけで判断することないようにしましょう。

仮想通貨を無料でもらえるフォーセットも大手の撤退が続き、今や最大手のFreeBitcoin(フリービットコイン)くらいしか信用できるサイトはありません。暗号資産に興味ある方は、自己資金で投機する前にフォーセットで無料かつノーリスクコツコツ貯めてみるのも良いと思います。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事が “Provably Fair” を理解するうえで参考になれば幸いです。




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