以前、Twitterで仮想通貨の時価総額ランキングのツイートがあり、私が仮想通貨に触れる以前のものを見て衝撃を受けたことがありました。
「見たことも聞いたこともない通貨」が上位にあり、現在のランキングとのギャップが大きかったというのが理由です。
2018年5月現在、それらの通貨はどこへ行ってしまったのでしょう。
今回、あらためて過去の時価総額上位の通貨を見ていたところ、色々と示唆するものがあったので、ヒストリカルデータを見ながら思うところを書いてみたいと思います。
振り返るにあたって、参考にしたのは CoinMarketCap のヒストリカルデータです。
Historical Snapshots – CoinMarketCap
私が仮想通貨を始めたのが2017年1月なので、1月を基準にして2014年1月~にしていますが、データ自体は2013年4月から週次のスナップショットが公開されています。
時価総額10位の仮想通貨
2018年5月6日の上位10通貨
まずは2018年5月6日現在の上位10通貨を確認しておきましょう。
Bitcoinは格が違う圧倒的な王者で、これはずっと変わっていませんね。
EOS・ADA・XMLなど、国内取引所では取り扱っていない通貨も半分ありますが、海外取引所を使っていれば見覚えのある通貨ばかりでしょう。
それでは、これを基準にして、時代をさかのぼりながら振り返っていきたいと思います(2018年→2014年まで)。
2017年1月8日の上位10通貨
2017年1月、私はこの時期に初めて仮想通貨を取引し始めました。
いきなり現在とは様相が違いますが、国内取引所の coincheck を使っている人には馴染みがある光景です。
今と比べて、全通貨の価格・時価総額が1桁違いますね。
上位1位から8位までがcoincheck銘柄で、この頃はまだBTCのハードフォーク前なのでBitcoin Cashが存在していません。
coincheckは信頼できるアルトコインを慎重に選別していたようなので、「時価総額が相応にあるもの以外は上場させていなかった」ということも言えそうです。
当時10位だったSTEEMは現在31位です。
9位だったMaidSafeCoin(MAID)は、現在の時価総額自体は当時より4倍になっていますが、現在は115位まで順位を落としています。それだけ仮想通貨市場が大きくなったという話でもあります。
現在、類似サービスと思われるオンラインストレージのSiacoin(SC)は32位で、STORJは123位となっています。この一年半で相当な順位変動があったようですね。
2016年1月10日の上位10通貨
ここからは仮想通貨の怖さが少し垣間見えてきます。
10位のMAIDは翌年の2017年も9位に入っていました。
他にも、7位のPeercoin(PPC)以外は、現在も活発に取引されているメジャーなアルトコインです。
Peercoin(PPC)の存在を全く知らなかったのですが、POWとPOSを組み合わせた特徴を持つ通貨とのことです。
この通貨は翌年2017年は38位まで落ち、長い低迷を経て、2018年5月現在は時価総額193位まで落ちてしまっています(これでも低迷期からすると相当な上昇です)。
最終的に過去の水準に戻ったように見えますが、「ガチホ」が報われるのにも相当な期間が必要だったようですね。
結果的に報われただけで、当時から100倍以上になった通貨が多数ある中で、ガチホによる機会損失の方が大きいでしょう。
私も未来が見えない中で3年半のHODLは自信がありません。
2015年1月11日の上位10通貨
ここで初めて、上位10位にあった仮想通貨の中から「今でも救われていないケース」が出てきました。
初めて出てきた通貨もありますね。
5位 BitSharesや9位 Dogecoinは、通貨の価格・時価総額が高い時期もあったという話で、通貨自体は既に使い道が存在している実用的な通貨になっています。
BitShares(英語)
Dogecoin(英語)
BitSharesはBittrexから上場廃止になったのをリアルタイムで見ていて、もう終わるのかと思った記憶があります(もちろん、そんなことはなく現役です)。
それよりも、2015年4位にも関わらず、2016年にはランキングから消えていたPayCoin(XPY)なる通貨があったようです。
現在は、時価総額987位に位置して、上場直後の「Pump & Dump」が取引所からの排除された歴史があるようです。
もはや「死に体」と呼ぶのが相応しい状況に見えますが…。
いつ無くなるかも知れないという仮想通貨の怖さでもあり、今でも「存在はしている(消えてはいない)」という仮想通貨の良さでもありますね。
国産通貨のBitZenyも何年も、放置された期間を経験して今があるわけで、存在さえしていれば何が起こるかは誰も予想できないでしょう。
次に、2015年1月時点では8位だったNXTですが、現在は90位の時価総額のようです。
2018年2月にも新しいバージョンがリリースされているので、開発が終了したようなものではなさそうです。
2014年1月12日の上位10通貨
ここからは全く聞いたことがない通貨が増えてきます。
この時代はビットコインの時価総額こそ1兆円超ありますが、2位のLTCでも700億円程度しかありません。
そのため、時価総額上位10通貨と言っても、今のちょっとした草コインにも及ばない程度の市場規模です。
全く聞いたことのない通貨が多数登場しましたね。
ちなみに、2018年5月現在、今回初登場の通貨は下記のような時価総額の順位です。
- Omni(OMNI) 378位
- Namecoin(NMC) 294位
- Quark(QRK) 666位
- Megacoin(MEC) 848位
今見てみると、歴史ある草コインの立ち位置になってしまった感じです。
2107年のアルトバブル付近で上昇しているものもありますが、これらもガチホしていても大したリターンは得られなかった通貨のようです。
過去の時価総額上位通貨を確認して分かったこと
時代をさかのぼるほど、仮想通貨の市場規模が今とは比べ物にならないくらい小さいため、一概に「時価総額上位」と言っても年によって全く重みが違うという前提がありそうです。
それでも、その当時は人気のあった通貨だったはずですが、数年で状況が大きく変わってしまう怖さがあることを再認識しました。
年々市場は拡大してきたにも関わらず、強い握力でHODL(ガチホ)していても全く報われないケースも散見されました。そう考えると、ガチホであっても常に勝てるのかは怪しいということなのでしょう。
仮想通貨バブル前の話は参考にならないと言う人とも多そうなので、少し最近の状況に話を戻してみます。
2017年1月と2018年5月現在の時価総額を比べてみると、2017年に上位10通貨にあったBitcoinやRippleやEtheriumは時価総額を伸ばしていますが、同じ5位の通貨を見ると2017年5位 Moneroのほうが2018年5位 EOSよりも時価総額が大きいことが分かります。
要するに、市場は拡大したにも関わらず、2018年5位は2017年5位よりも時価総額が小さいということですね。
5位以下の時価総額は2018年のほうが全体的に大きいですが、イーサリアムやリップルのようにビットコインに比肩しそうな通貨が誕生したのではなく、仮想通貨バブルを経ても2017年のMoneroレベルに満たない中堅以下が増加した結果だと言えそうです。
Percentage of Total Market Cap
ビットコインのドミナンスは低下していますが、中堅の通貨が数の多さで時価総額全体を伸ばしただけだと考えると、まだまだビットコイン・イーサリアム・リップルの三強多弱の構造は続きそうです。
時価総額から見た仮想通貨の歴史を見て、皆さんはどのようなことを感じたでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事が何かの参考になれば幸いです。