サラリーマンには株主優待を狙った株式投資がオススメ

国内株式の株主優待

 

サラリーマンの皆さん、資産運用していますか?

取引できる時間の長いFXや仮想通貨などは「サラリーマンでも帰宅後に取引できる」なんて言われますよね。しかしながら、正直それで資産を作るというのは普通の人には無理でしょう。投機で一攫千金を狙うなんて夢のまた夢です。

FP(ファイナンシャルプランナー)の有資格者で、サラリーマンの本業が投資運用の私でも、帰宅後にトレードで資産形成するという発想はありません。身体的にも精神的にも、あまりにも負担が大きいです。

ということで、今回は「帰宅後のサラリーマンでもできる資産運用」として、私も実践している株主優待銘柄に絞った投資方法をご紹介してみたいと思います。

使用しているのはSBI証券と楽天証券で、どちらも株主優待の銘柄検索や貸株制度が充実しているため、どちらかの証券会社を使っておけば間違いないと思います。

SBI証券 https://www.sbisec.co.jp/ ネット証券No.1です

楽天証券 https://www.rakuten-sec.co.jp/

 

基本は銘柄選択に可能な限り時間を使って、あとは株主優待株式配当金貸株金利を受け取りながら、たまに損益状況を見つつ年単位で放置するだけの投資法です。

ストレスにより、神経をすり減らしながら、髪の毛を減らしながら、太ったり痩せたりしながら、、、は健全な投資(資産運用)ではありません。

サラリーマンにオススメなのは株主優待投資

値上がりしそうな銘柄で売却益(キャピタルゲイン)を狙うのもいいですが、日々の仕事があるサラリーマンの場合、値動きによる損益を追うと精神的にも余裕がなくなってしまいます。最悪、仕事中にも株価や為替が気になってしまう人も出てくるでしょう。

そこで、時間のないサラリーマンにオススメなのが、株主優待を狙った長期の株式投資です。

基本的には以下の3ステップを経て放置するだけです。

  1. 株主優待のある銘柄を選定(最重要)
  2. 狙った価格で株式を購入
  3. 保有株を貸株(かしかぶ)に設定

 

もともと株主優待銘柄は値崩れしにくいため人気でしたが、2013年にバラエティ番組の「月曜から夜ふかし」で株主優待のみで生活する桐谷広人(きりたに ひろと)さんが紹介されて以降、株主優待投資はさらに人気になりました。今や、どこの証券会社も、当月に権利確定のある優待銘柄を紹介していますね。

SBI証券の株主優待特集

しかし、何でもかんでも優待のある銘柄を買って放置するのは良くありません。会社自体の価値や買うタイミングも重要です。

最重要な銘柄選びは慎重に行うようにしてください(私の選び方も紹介しています)。自己資金を投じるので、さすがに「何も考えなくても…」というわけにはいきません。

そもそも株主優待とは?

今回ご紹介する投資方法は「株主優待のある銘柄に投資する」ということなので、まずは株主優待について簡単に理解しておきましょう。既に理解している方は読み飛ばしてください。

株主優待についてですが、一言で言うと「株主に対して、配当金以外に商品・サービスを還元するもの」です。内容は自社製品から地域の特産品など幅広くあります。

3月に多い本決算に合わせて実施する企業のほか、中間決算にも追加で株主優待を提供している企業があるなど、企業によってタイミングや優待の内容は様々です。

日本製粉の株主優待(3月・9月)

 

2018年9月30日現在、SBI証券の株主優待検索によると 1,459銘柄 が株主優待を提供しているようで、クオカードのような金券から自社商品・サービスまで内容も各社工夫を凝らしていますね。

例えば、玩具卸の最大手のハピネット(7552)だと、自社の商品カタログから玩具やDVDを選ぶことができ、 ホームセンター首位のDCMホールディングス(3050)は2,000円相当の自社製品を送ってくれます。

ハピネットの株主優待
DMCホールディングスの株主優待

 

その他にも継続保有で優待品がプラスアルファされたり、企業側も個人投資家の長期保有に向けて試行錯誤しています。

簡単ですが、株主優待についてはこれくらいにして、本題の株主優待投資に話を進めましょう。

1. 株主優待銘柄の選び方(最重要)

まずは、最重要と位置付けた「株主優待銘柄の選び方」です。

  1. 株主優待のある銘柄を選定(最重要)
  2. 狙った価格で株式を購入
  3. 保有株を貸株(かしかぶ)に設定

 

当然ですが、どの銘柄を選んで購入しても、値下がりによる元本割れリスクがあります。何を選んでもノーリスクではないので、いかに「リスクを少なくするための工夫」をするかの問題です。

それでは、実際に銘柄をスクリーニング(絞り込み)していきましょう。あくまでも私が実践している参考例です。

各種指標で絞り込み

まず狙うのは、「株価が割安な水準」かつ「配当があること」です。

企業が倒産したり、途中で業績を理由(多くは株主の公平性が口実)にして優待が廃止されたりしないように、まずは業績面でスクリーニングしましょう。

下記の画面は株主優待検索が充実している SBI証券 です。

割安で高配当な銘柄をスクリーニング

上の画面で選択しているのは下記の条件です。

  • PBR1倍割れ
  • PER平均以下
  • 配当利回り平均以上

 

難しい話は勉強していただくとして、簡単にいうと「PBR1倍以下・PER平均以下の割安」ながら「配当は厚めに出している」という企業を探しています。すると、かなり銘柄が絞り込まれます。

株主優待検索の結果

相場環境にもよりますが、2018年9月現在は市況が好調なこともあり、私がイメージしていた数よりも若干少ない印象です。

株主優待こだわり条件検索結果

結果が出たら、自分が良いと思った銘柄を一つ一つ細かく見ていきます。面倒ですが、ここは時間をかけるところです。

会社四季報で財務状況を確認

次はSBI証券でも楽天証券でも提供されている「東洋経済 会社四季報」で、実際の業績を確認します。

確認ポイントは以下のとおりです。

会社四季報で財務情報を確認

これは「会社が成長していること」「配当が継続的にあること(創業周年の記念・特別配当の一過性ではないこと)」「借金まみれではないこと(有利子負債自体は全く問題ありません)」を確認しています。他にも利益剰余金(内部留保で貯めこんでいる利益)などを見ておいても良いですね。

これで問題・心配が少ない銘柄であることを確認したら、次は実際に購入する価格の検討に移ります。

2. 狙った価格で購入

購入する銘柄を決めたら、次は実際の購入です。

  1. 株主優待のある銘柄を選定(最重要)
  2. 狙った価格で株式を購入
  3. 保有株を貸株(かしかぶ)に設定

 

調査に使った時間のこともあり、購入銘柄を決めると早く「購入しなくては」という気持ちになると思います。ただ、ここは少し気持ちを抑えて、下記の観点で株価推移を確認しておきましょう。

  • いくらで買うか(待つか)
  • 過去2-3年程度の安値までの含み損を覚悟できるか

 

下記はラックランド(9612)という銘柄の2年チャートで、私が購入を検討する価格に線を引いています。

チャートで見る購入タイミングなど

観点はシンプルで「何度か反発した安値圏」で、私ならここらへんの価格近辺(実際には線の少し上)まで下がってきたところで購入しようと思います。

「もう下がってこないのでは?」と思うかも知れませんが、それなら他に目を付けている別の銘柄を購入するだけです。無理して買う必要は全くありません。

Yahoo!ファイナンスで株価を監視

 

このようにコツコツと継続的に続けてきた結果、保有株数は優待がもらえる最低数量で保有銘柄数だけが非常に多いポートフォリオとなっています(これでも一部です)。

株主優待のある保有銘柄

色々と意見はあると思いますが、あくまでも資産運用のための投資なので、株主ではあっても投資先企業に愛着を持つ必要はありません。あくまでも、自身の銘柄選定で問題がないと判断した投資先でしかないと割り切りましょう。

私は何をやっているのか知らない会社や正確な読み方を知らない会社の株にも投資しています(これは極端な例ですが…)。

 

それでは、次に購入した後の話に移りましょう。株式は単純に保有している状態にはせず、貸株(かしかぶ)に出して金利を生んでもらいます。

3. 保有株を貸株に出します

そのまま保有株を証券会社(ほふり)に置いておいてもメリットは皆無なので、購入した株式に貸株を設定しましょう。

  1. 株主優待のある銘柄を選定(最重要)
  2. 狙った価格で株式を購入
  3. 保有株を貸株(かしかぶ)に設定

 

貸株のサービスはSBI証券が先駆けですが、現在は楽天証券も提供していて、多くの銘柄を 年利0.10% の金利で貸し出すことができます。貸株金利は毎月受け取れます。

貸株による金利と優待の自動取得

 

銘柄によっては、3.0%のようなボーナス金利が設定されているケースもありますが、ほとんどの場合は売り方’(空売り)が多い銘柄のため、価格が大きな下落局面の銘柄です(一過性の貸株金利で銘柄を選ぶことはないと思いますが、念のため)。

貸株は証券会社への信用リスクを負うことになるため、証券会社が倒産した際に貸し出した株式が返ってこない可能性があります。

 

また、継続保有で優待内容が優遇される銘柄の場合、貸株に出していると株主番号が変わって「継続保有にならない」ことがあるようです。そのため、継続保有の優遇がある銘柄は貸株に出さないのも一つの選択肢です。

ということで、これで株主優待銘柄への投資法の説明は終わりです。あとは日々の損益を眺めつつ、心穏やかに年単位でホールドするだけです。

株主優待が届いて内容が満足いくものだったとき、含み損に対する不安も少しは和らぐでしょう。基本は長いお付き合いになると思ってください。

ただし、利食いも臨機応変に

これは株主優待を狙った投資に限った話でもありませんが、常に「利食い(利益確定)」のための売却も頭に入れておかないといけません。

保有していれば配当金・株主優待・貸株金利相当額の3つの収益がある一方で、値上がりによる含み益(売却益)が大きい場合、保有による3つの収益の何年分にも相当するケースも出てきます。

売却というのは「さらなる値上がりによる利益を放棄する」ということでもありますが、「値下がりによって資産が目減りするリスクをなくす」ということでもあります。

私も下の図のような形で、株主優待銘柄であっても利益確定はしています。

適度に利益確定も

 

個人的な感想ですが、大体の場合は手放した後も値上がりしますね。それだけ銘柄選びが正しかったと理解して、後悔せずに忘れています(売った後は価格チェックすらしません)。

私も利食いに明確なルールがあるわけではないので、下記のように5倍以上になっても保有している銘柄もあったりします。完全放置ですね。

5.5倍になった銘柄を継続保有

年末に確定申告不要な20万円の範囲で利益確定をして、また同じ銘柄を買い戻すという方法もあるでしょう。仮装売買になる売り買いの同時注文でなければ、将来的な節税につながります(損失を確定して利益を圧縮することで、税金を減らすことができます)。

株主優待投資まとめ

最後に、ご紹介した株主優待投資方法を振り返っておきましょう。

  1. 株主優待のある銘柄を選定(最重要)
  2. 狙った価格で株式を購入
  3. 保有株を貸株(かしかぶ)に設定

 

何でもいいから株主優待のある銘柄を買うわけではなく、

  • 長いお付き合いを前提に業績のいい銘柄を探し、
  • 値下がりしても反発が期待できる水準で購入して、
  • さらには保有期間中は貸株金利でも収益を生んでもらう

というシンプルな投資方法です。

 

利用するのは最大手のSBI証券で良いと思いますが、楽天証券でも同じことができます(記事中の画面は全てSBI証券です)。

楽天証券 https://www.rakuten-sec.co.jp/

SBI証券 https://www.sbisec.co.jp/

 

株主優待と言っても株式投資なので、最初から不安だという方は個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)から始めてみても良いと思います。

個人型確定拠出型年金のiDeco(イデコ)

iDeCo(イデコ)の運用実績と節税効果を公開します

2018年2月27日

 

株式投資には及びませんが、iDeCoでの運用も割と好調です。

iDeco(個人型確定拠出年金)の資産状況

株主優待投資でもiDeCoでも、資産運用では無理をしないことが重要です。一攫千金を狙わず、地道に自分に合った方法を探してみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事が株主優待を狙った株式投資を始めるキッカケになれば幸いです。




国内株式の株主優待